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優れた定量性と高感度検出を両立する新しい蛍光ウェスタンブロッティング
蛍光ウェスタンブロッティング スターターパック
ウェスタンブロッティングの検出法は、 主に可視、 発光、 蛍光の 3 種類が用いられており、 下表のように目的や用途に応じて使い分けることが可能です。 これらの検出法の中でも蛍光を用いた検出法は、 定量性の優れた方法です。 さらにの蛍光ウェスタンブロッティングは新規の蛍光色素と撮影装置の コンビネーションにより化学発光検出と同等レベルの検出感度を得ることが可能です。
各検出法の特徴
検出方法 汎用性 発色 △ 化学発光 ◎ 蛍光 〇 補足 化学発光検出は検出感度に優れており、汎用的に用いられている検出法です。一方、蛍光検出は化学発光 に比べ汎用性は劣りますが、近年では高感度な検出が可能な蛍光色素や検出装置が登場し、マルチプレッ クス検出や優れた定量性のため、目的に応じて使い分けをするケースが増加しています。 化学発光検出は、基質のグレードにより検出感度を調整することができ、高感度なグレードほど高価にな ります。一般的な蛍光検出法は一般的にバックグランドが上がりやすいこともあり、化学発光と比べ検出 感度が劣ります。しかしながら、新規の蛍光物質(StarBright Blueシリーズ)や低蛍光PVDFメンブレ ンを用いることで、化学発光検出に迫る高感度検出も可能になっています。 化学発光の場合、冷却CCDカメラを用いて行うことで、定量的な結果を得ることが可能です。さらに優 れた直線性を有する蛍光検出ではより定量性に優れた結果を得ることが可能です。 化学発光や発色法は、基質溶液と酵素が反応し生じた副産物(光や色素)を検出するため、バンドがぼや ける傾向にあります。一方、抗体にラベリングされた蛍光色素を直接検出する蛍光検出は、よりシャープ なバンドイメージを得ることが可能です。 蛍光法では、蛍光の被りのない蛍光色素を用いることでストリッピング/リプロービング処理を行うこと なく、複数ターゲットをマルチ検出することが可能です。これによりストリッピングやリプロービングを することなく複数ターゲットの検出が可能になります。 化学発光の検出は、発光基質が比較的高価なためランニングコストは高くなります。一方、蛍光検出は、 専用の低蛍光PVDFメンブレンや蛍光標識二次抗体を使用する必要がありコストは若干高くなりますが、 発光基質が不要なため全体のコストは化学発光と比べ抑えることが可能です。
感度
低
中~高 〇
中~高
定量性
△
(CCD カメラを 用いた場合)
◎
解像度
〇
〇
◎
マルチ検出
不可
不可
可 高
ランニングコスト
低
高
(ただし化学発光 より低)
検出装置
不要
冷却 CCD カメラ (X 線フィルム)
化学発光検出は、古くはX線フィルムを用いられていましたが、暗室や廃棄の問題等により、冷却CCDカ メラが一般的に用いられるようになりました。蛍光検出には、レーザースキャナーの他、CCDカメラが 冷却 CCD カメラ / 用いられます。ただし、高感度な蛍光検出を行う場合、バックグラウンドの上昇を抑えるために遠赤~近 レーザースキャナー 赤外の長波長領域で行う必要があります。検出装置を選択する場合には、遠赤~近赤外領域における十分 な検出感度を持つ装置を選択することが重要です。
バイオ・ラッ ドの蛍光ウェスタンブロッティングの特長
マルチプレックス検出
Benefits of Fluorescence Western Blotting
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蛍光ウェスタンブロッティングの最大のメリッ トは、 複数のターゲッ トタンパク質を同一メンブレン上で同時検出が可能という点です。 操作の煩雑さだけ 化学発光法により複数のタンパク質を検出する場合、 メンブレンをカッ トしたり、 ストリッピング / リプロービングを行う必要があり、 でなく、 再現性の低下などの問題を考慮する必要があります。 一方、 蛍光ウェスタンブロッティングでは異なる蛍光色素で色分けし検出することができ るため、 ストリッピング等の影響を考慮する必要がなく、 信頼性高く 、 再現性のあるデータを得ることが可能です。 また、 下図のようにわずかな移動度 の差を検出する必要があるリン酸化タンパク質の場合にも、 色分けした検出が可能な蛍光ウェスタンブロッティングは有効なツールとして用いること が可能です。
マルチプレックス検出例 HeLa 細胞における EGF 刺激による ERK1/2 のリン酸化
Tubulin
ERK1/2
0.01
0.1
0.2
0.3
0.5
1
2
3
5
10
(ng/ml) EGF
ヤギ抗マウス lgG StarBright Blue 700
Anti-phospho ERK1/2 Mouse mAb
ヤギ抗ウサギ lgG StarBright Blue 520
Anti-total ERK1/2 Rabbit mAb
抗チューブリン hFAB Rhodamine
データのご提供:徳島大学 先端酵素学研究所 藤井節郎記念医科学センター 小迫 英尊先生
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Bio-Rad Laboratories
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